子育て中のパパ・ママの多くがぶつかる大難関。
『イヤイヤ期』。
『魔の2歳児』なんて、おそろしげな名前すらすっかり一般的ですね。
最近では、『イヤイヤ期』という呼び方を変えたらどうか、なんて声もあるようで、
『自分でやる期』『やるやる期』など、様々な新たな呼び名の提案が一般の方々から
寄せられたそうです。
けれど、かなり辛いイヤイヤ期を経験した私は思ってしまうのです。
「呼び方変えたら、楽に過ごせるようになるの?」と。
名前をポジティブなものに変えることで、自我の芽生え始めた子供の気持ちに寄り添い、
そんな子供の言動を前向きにとらえやすくなる効果はあるのかもしれません。
けれど、本当に大事なのって呼び名なの?
いえ、イヤイヤ期を乗り越えるために大事なのは、受け流すことだと私は思います。
極端に言ってしまえば、
『元気に生きていればそれで良し』
と、割り切ること。
子供の成長過程を前向きにとらえて頑張ろう!
なんて言ったら、それは素晴らしいことだけれど、それだとかえって追い込まれて
しまうことも。
大切なのは頑張らないこと。
それが、イヤイヤ期とまともに闘ってしまった私が、だいぶあとになって
気付いたことです。
2歳の子育てって疲れるよ…日々イライラとの闘い
『イヤイヤ期』とは本当によく言ったもので、この時期の子供の主張には
すさまじいものがあります。
スーパーに行って買い物をする。
ただそれだけのことが、2歳児と一緒だと、まるで巨大迷路に迷い込んだかのように、
たくさんの壁にはばまれることになるのです。
まずカートに乗りたがる、かと思えばすぐに降りて歩きたがる、手をつなぐのを拒否、
自分の行きたいほうにしか歩かない、商品に手を出す、つかまえようとすると走って
逃げる・・・挙げたらきりがないほど、こちらの要求とは反対のことばかりを
やりまくってくれます。
親としては、お店や周りの方に迷惑をかけてはいけない、なおかつ、必要な買い物を
済ませ早く帰りたいという気持ちがまずあるわけですから、当然、勝手気ままな
我が子の行動にイライラし、怒らずにはいられなくなるのです。
私の場合、言うことを聞かない息子をラグビーボールのように脇に抱え、
半泣きになりながら買い物を済ませたことが何度もあります。
更には、エスカレートする息子の行動を止められず商品に傷をつけてしまい、
お店の方にお詫びしたことすらあります。
その頃の私にとって、息子と外出することは息子との闘いであり、苦痛以外の
何物でもありませんでした。
「疲れた・・・」が口ぐせにもなっていました。
でも、今振り返ってみると、思うのです。
一つ捨てればよかった、と。
お店や周りの方に迷惑をかけない。
それだけでよかったのです。
必要な買い物をして早く帰る。
それはあくまで私の事情であり、どうしても優先するべきことではなかった。
例えば、自分の動きに子供を合わさせようとするのではなく、子供の動きに
合わせて、ゆっくりと買い物をする。
もしかしたら、予定より2倍、3倍の時間がかかるかもしれない。
でもそのあとに何の予定もないのなら、それで良かったのです。
お昼ごはんの時間が遅くなる、お昼寝の時間が遅くなる。
そんなことを気にしていた私。
魔の2歳児相手に『きちんと』なんて無理だよ。
あの頃の私に、そう言ってあげることができたら、と今、心から思っています。
2歳で泣き止まないなら放置でも良い!イヤイヤVSイライラ
またよくあるのが、ちょっとしたイヤイヤがどんどんエスカレートして、
親子ともに止まらなくなっていくパターンですね。
そこにあるのは、子供のわがままが「また始まった」と思ってしまう、
親の気持ち。
「また」と思うからこそ、ちょっとしたことが許せず、イライラして
怒ってしまい、それに対して子供もどんどんかんしゃくを起こして
泣き止まなくなるという、まさに泥沼。
そんな時の対処法としてよく言われるのが、
『目をつぶって10数える』、
『一旦トイレにこもる』などですね。
要は、冷静になろうということです。
まともに向き合うと、イヤイヤとイライラがぶつかりあって、
怒鳴り散らしてしまう結果に。
でも、子供の安全さえ確保されていれば、少しの間放置してもいいのです。
一度距離をおくことで、自分も子供も冷静になるチャンスが生まれます。
まともに向き合いまくり、怒鳴りまくっていたあの頃の私。
きちんとしつけなくては、という思いが完全にからまわっていました。
あんなに怒鳴ったことが、息子の成長に悪い影響を与えてしまったのでは。
あんなに怒らなくてもよかったはずなのに。
『魔の2歳児』が我が家にいなくなった今、時々そんな後悔が
浮かんできます。
そして、それと同時に、あの頃は仕方なかったんだ、とも思います。
そう、仕方ないのです。
イライラも、怒鳴ってしまうのも、相手をしきれず放置してしまうのも、
一人になりたいと思ってしまうのも、全て仕方がないのです。
もちろん、虐待となると話は別ですが、何に対してもイヤと返してくる
相手に、常におだやかでいられるほどできた人間ばかりではありません。
ただ、感情的に怒ってしまった後に、どうしようもなく落ち込む気持ちも
よく知っています。
私のように、あとになって後悔するよりも、もっと楽な過ごし方をしてほしい。
だからこそ、『受け止める』ではなく『受け流す』のです。
『受け止める』ために頑張るのではなく、きちんとしようと
頑張ることをやめて、流れに任せてしまいましょう。
<まとめ>
自分の辛かった経験を思い出して、つい長々と語ってしまいました。
そうなんです。
辛かったんです。
魔の2歳児、本当に大変でした。
でも、大丈夫。
イヤイヤ期は必ず終わります。
そして、「すごく楽になった」と心からほっとして話せる日が必ず来ます。
どうかその日まで、頑張りすぎないでください。
頑張らないと簡単に言っても、子供との日々に一生懸命向き合っている
時期には難しいことかもしれません。
でも、一日に一度でもいい。
「もうなんでもいいや」と力を抜いてみて下さい。
掃除も買い物も夕ご飯の準備も何もできなかった。
でも、我が子が今日も元気にここで生きている。
それでよし。
ひっくり返って泣き叫んでいる我が子の姿に、ふっと笑えてしまう
瞬間が、きっと来ると思います。
そんなふうに、イヤイヤ期の中にほんの少しずつでも力の抜ける
瞬間を持ちながら、イヤイヤ期を駆け抜けていけたらいいのでは、
と思っています。